マウスピース矯正とは、付け外しのできるマウスピースを装着していただく矯正方法です。
徐々にマウスピースの形状を変えることで、持続的に歯を動かせます。最新の治療だと思われがちですが、実はかなり昔から存在しています。
以前は手作業で作成していたため、マウスピースが厚くなってしまい装着時の不快感が強いことからあまり普及していませんでした。しかし、コンピューター解析や製作技術の向上により透明で薄く目立たない、日中でも快適に使用できるようなタイプが開発されたことにより多くの医院で採用されるようになりました。
しかし、マウスピース矯正にはデメリットが多くあるため注意が必要です。1番重要なのは装着時間です。
マウスピースは1日18時間以上の使用が必須なため、サボってしまうと治療ができません。18時間というと食事や歯磨き以外のほとんどすべての時間ですので、食事や歯磨きをした後はすぐにマウスピースを装着する必要があります。例えば、お友達とゆっくり紅茶を飲んだり飲み会でお酒を飲んだりすると、18時間に足りない可能性があります。
ですので、頻繁にお茶・お酒を飲む人や仕事中に試食などをする必要がある場合は利用できません。うっかり装着を忘れて寝てしまってもいけませんので、毎日ストイックにマウスピースを使用できる人が向いていると言えます。
使用時間が心配な方は、当院のお試しマウスピース制度をご利用いただけます。1つだけお試し用のマウスピースを作製しますので、実際にどれくらい使用できるのか?試してみてからマウスピースを利用するか決めて頂くことができます。
マウスピース矯正のメリットは歯に矯正器具を接着しないで治療ができることですが、全く歯に装置を付けないわけではありません。
アタッチメントという出っ張りを接着する必要がある場合もあります。 世界的に患者数が増加しており非常に速いスピードで製作技術が進化していますが、まだまだ技術的な問題は多く残されており治療効果が常に安定しているわけではありません。
特にマウスピース矯正は歯の根っこあたりを動かすことはあまり得意ではないので、歯の位置を大きく動かす必要がある場合には選べないことがあります。どちらかというと、「以前矯正治療をしていて少し後戻りしてしまった」というような軽度のデコボコには適している場合が多いです。
また、治療技術が改善したとはいえワイヤー矯正と同等になったとは言いづらく、治療期間や治療結果が劣る場合は多々あります。まだまだ世界的にみると、ワイヤー矯正だけを採用している大学病院やクリニックが多数です。
そのため、マウスピース矯正を希望の際には、担当医とよく相談いただきマウスピース矯正の適応であるかどうか確認してから選択していただけると安心だと思います。
また、当院では治療結果が安定していないことを補完するためにワイヤー矯正保証システムを採用しています。もし治療結果が良くない場合には無償で通常のワイヤー矯正に変更することができます(ワイヤー矯正保証について詳しくはこちら)。
〈当院で推奨している主な装置名〉
アソアライナー、トゥースポジショナー、クリアライナー、インビザライン
〈メリット・デメリット〉
▼メリット
- 目立たない
- 矯正器具が付け外しできる
- ワイヤーが入らないため快適、口内炎になりにくい
- 歯磨きがしやすい
- 金属アレルギーのリスクが少ない
▼デメリット
- 装着がめんどくさい
- 歯を大きく動かす場合には選べないことがある
- 顎関節症のリスクが高くなる
- アタッチメントを装着する場合がある
- 矯正用インプラントとは併用しづらい
- 治療期間が長い
- 治療費用が高い
〈マウスピース矯正に向いている人〉
- 目立たずに治療したい人
- 毎日18時間以上ストイックに使用できる人
- 歯を大きく動かす必要がない人
- 金属アレルギーの心配な人
- 顎関節症などの問題がない人
- 治療期間や費用が伸びても大丈夫な人
オススメする矯正装置の種類
ワイヤー矯正、裏側矯正(ハーフリンガル矯正)、マウスピース矯正の3つの矯正装置をご紹介します。