裏側矯正(ハーフリンガル矯正)は、ワイヤーを歯の裏側に装着することで見た目を気にすることなく矯正治療が受けられます。
ただし、歯の裏側につけることで装置が舌にあたるため痛くなったり滑舌が悪くなったりする欠点があります。また歯の裏側は非常に複雑な形をしているため適切に矯正器具を装着することが難しく、そのため治療工程が複雑で高額な治療費用になってしまうことが多いです。
実は、滑舌の問題や費用からすべて裏側矯正で治療を受ける人は多くありません。上の歯だけ裏側にして、下の歯は表側にするハーフリンガル矯正を選ぶ方が多数おられます。下の歯は表側にしても唇に隠れるためほとんど見えることはありませんし、ハーフリンガルにすることで滑舌の問題は軽度になり、2週間ほどで慣れる方が多いです。
以前は裏側装置が複雑なせいで治療期間が長くなったり、良くない治療結果になることも多く裏側矯正自体を否定する医院も多かったです。
しかし、コンピューター解析や製作技術の向上により治療結果や治療期間が飛躍的に改善したため、裏側矯正を治療メニューとして採用する医院も増加しました。当院も同様です。
とはいえ、通常のワイヤー矯正と比較すると歯周病のリスクや顎関節症のリスクなどは高くなりますし、追加オプションとして矯正用インプラントが必要になる場合が多いなどのデメリットがあります。
また、治療技術が改善したとはいえワイヤー矯正と同等になったとは言いづらく、治療期間や治療結果が劣るケースが多くあるのが現状です。まだまだ世界的にみるとワイヤー矯正だけを採用している大学病院・クリニックが大多数になります。
そのため、裏側矯正を希望の際には、担当医とよく相談いただき裏側矯正の適応であるかどうか確認してから選択していただけると安心です。また、当院では治療結果が安定していないことを補完するためにワイヤー矯正保証システムを採用しています。もし治療結果が良くない場合には、無償で通常のワイヤー矯正に変更できますのでご安心ください。(ワイヤー矯正保証について詳しくはこちら)
〈当院で推奨している主な装置名〉
クリッピーリンガル、sTb、インコグニート、win、ハーモニー
〈メリット・デメリット〉
▼メリット
- 目立たない
- 虫歯になりにくい
▼デメリット
- 歯周病のリスクが高くなる
- 顎関節症のリスクが高くなる
- 矯正用インプラントが必要になる場合が多い
- 治療期間が長い
- 治療費用が高い
〈裏側矯正(ハーフリンガル矯正)に向いている人〉
- 目立たずに治療したい人
- 滑舌が多少悪くなっても仕事に支障がない人
- 裏側までしっかりと歯磨きができる人
- 歯周病、顎関節症などの問題がない人
- 治療期間や費用が伸びても大丈夫な人
オススメする矯正装置の種類
ワイヤー矯正、裏側矯正(ハーフリンガル矯正)、マウスピース矯正の3つの矯正装置をご紹介します。